Willful Murder (1981) / 日本の熱い日々 謀殺・下山事件

『日本の熱い日々 謀殺・下山事件』(にほんのあついひび ぼうさつ・しもやまじけん)は、1981年に公開された日本映画。製作は俳優座映画放送、配給は松竹。モノクロ作品。

1949年7月に、第二次大戦後の連合国による占領統治下の日本で起こった「戦後最大のミステリ」ともいわれる「下山事件」(下山定則国鉄総裁の変死事件)とその捜査・解明に当たった人々を描いたミステリ映画。

昭和56年度文化庁芸術祭参加作品。第5回日本アカデミー賞において、優秀作品賞、優秀監督賞(熊井啓)、優秀脚本賞(菊島隆三)、優秀音楽賞(佐藤勝)、優秀撮影賞(中尾駿一郎)、優秀照明賞(岡本健一)、優秀美術賞(木村威夫)、優秀録音賞(紅谷愃一)を受賞。

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Willful Murder (1981) / 日本の熱い日々 謀殺・下山事件のあらすじ

昭和二十四年七月、敗戦後の騒然とした雰囲気の中で労働運動は大きく高揚していた。昭和日報の社会部記者・矢代(仲代達矢)は、上野に集結するシベリヤからの復員兵たちの集会を取材していたが、その時、下山国鉄総裁の行方不明を知らされた。翌朝、下山の死体が発見されると、政府はいち早く他殺説に近い立場をとり、各新聞の主張も自殺説と他殺説に分かれた。この中で昭和日報は、他殺の線ですすめるべく、矢代に東大法医学研究室を取材させた。矢代は遺体解剖を行なった和島博士の「死体轢断の鑑定は絶対に間違いない」という言葉で他殺説に自信を持つが、一方、事件現場近くで下山の姿を見たという証言者が現われたり、東大鑑定に対する慶応の異論も出て、自殺説がクローズアップされてきた。しかし矢代は他殺の臭いを執拗に追い続け、東大研究室に通い続けるうちに、轢断現場近くに、大山の死体を運んだ時についたと思われる血痕を自らの手で発見する。この発見と前後して無人電車の暴走という「三鷹事件」が発生。追求の手をゆるめず走る矢代の背後に黒い妨害の手が現われ、ホームから突き落とされ、電車に轢かれそうになる。

彼は検察の要請で特別研究生として身分を拘束されることになった。事件から一ヵ月後、警視庁が自殺を発表することになったが、突然、その発表は中止された。その二週間後、何者かによってレールがはずされ列車が転覆するという「松川事件」が起こり、政府はこれを利用し、労働組合、左翼への弾圧を一層強めた。捜査陣は遺体についた油や色素の鑑定と出所究明に走りまわり、矢代もまた若い刑事・大島(山本圭)と身をすりへらし地道な捜査にあたった。とこが、年の瀬もつまったある日、人事異動を名目に中心メンバーがはずされ、捜査本部は解散した。しかし矢代はあきらめなかった。大島とともに、下山を誘拐した三人のメンバーの一人という男・堀内から矢代あてに送られた表紙の真偽を確認するために北海道まで飛んだこともあった。五年、十年と時間が走り過ぎていった。そんな時、死体を現場で運んだらしいという男・丸山の存在を知った。矢代と大島は丸山に執拗に食い下がり、ついに事件当日の模様を自白させた。しかし、その内容には矢代たちが調査した事との食い違いがあり、全面的に信ずることはできなかった。そんなある日、丸山は駅のホームから転落死してしまった。事故死なのか、誰かに突き落とされたのか……。矢代は丸山の遺体の前で、得体の知れぬどす黒いものに対する激しい怒りがこみあげてくるのだった。

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