Rise, Fair Sun (1973) / 朝やけの詩

「朝やけの詩」は、1973年公開の熊井啓監督作品。日本アルプスの大自然を背景にして、破壊されてゆく原生林、緑の広野、離散する開拓村一家に、日本の未来をみつめながら、自然の中に育くまれた若い男女の激しい愛を描く。

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Rise, Fair Sun (1973) / 朝やけの詩のあらすじ

日本アルプスを展望する信濃高原。春子(関根恵子)は、この開拓村で牧場を夢みる一徹な父親・作蔵(仲代達矢)を手伝い、貧困に負けて逃げた母親・八重子(岩崎加根子)に代り、和夫、道子の二人の弟妹の面倒をみながら、恋人の朝夫(北大路欣也)との愛を大切に美しく育てていた。日本全土に侵触する大企業の荒波は、平和な開拓村にも押し寄せてきた。この高原地帯にレジャーランドの建設を着眼したアポロ観光社長・神山は、地元の有力者稲城と結託した。村人たちは稲城から多大な借金を背負っているため、約五億円の金が村にばらまかれる、ということで浮き足だった。石工の朝夫は、稲城に反感を抱いたが、自分の父が稲城の死んだ兄であるということを知り、愕然とした。そして、朝夫は稲城が開拓村に手をつけない、という条件でアポロ観光の現場主任を引き受けた。数日後、朝夫の願いを無視してアポロ観光の測量が開始された。激怒した作蔵は測量を妨害したため、警察に逮捕された。この事件を契機に村は、開発賛成派と反対派の二つに分断されていった。一方、朝夫は稲城家の血を引く唯一人の男として残る限り、今後の生活を保障するといわれる。春子は苦悩する朝夫の態度を批難した。稲城から、数百万円の立退き料が村人に渡された。しかし、その殆んどの金が借金の返済として稲城に吸い上げられていた。ただ一人作蔵だけが頑なに、アポロ側との交渉を拒否していた。そんなある日、作蔵の馬を初め、為治の豚が原因不明のまま死んでしまった。村人は疑心暗鬼に陥った時、アポロ観光の現場事務所が何者かに放火され、その嫌疑が作蔵にかかった。彼をかばうかのように朝夫が自首した。警察では二人を共犯として逮捕。しかし、事務所に放火したのは、神山たちで、作蔵に止ど目を刺そうとの謀略だった。数日後、作蔵と朝夫は証拠不充分で釈放された。二十五年間、日本一の大開拓村を建設しようと情熱を注いできた作蔵の夢も、いまや完全に打ちのめされていた。作蔵はついに村を出る決心をした。幼ない弟妹は八重子が引きとることになった。春子と朝夫は、花の咲き乱れる高原で最後の時を過ごした。若い二人の肉体は、自然で限りなく、深い喜びの中で大地に溶けあった……。翌日、出発の日。作蔵が春子に渡した汽車の切符は、行く先と反対方向だった。「朝夫さの所へ行け! おらア、みとどけるだ、この土地がどうなるか……」作蔵は開拓村近くの博物学者・五味の許で働くことを決心していたのだった。春子を乗せた汽車は、白煙を上げて次第に去っていった。無理に笑みを浮かべて手を振る作蔵をホームに残して……。唯一人、力強く山道を踏みしめて行く作蔵の前方には、夏の日本アルプスが雄大に迫っている……。(Movie Walker)

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